面接ブッチする学生の話

 企業で人事してるんだけど、この仕事してるとホントに色んな人がいるんだな、と痛感させられる。

 その中でも今回は、面接をブッチする人について話したいと思う。

 自分は都内の大学生で、スタートアップで人事のインターンをしている。冒頭で偉そうに「企業で人事」なんて言ったけど、社会人のマネゴトですすみません。

 でも、そこはスタートアップだけあって裁量は大きく、インターンなりにもかなりたくさん経験させてもらってると思う。特に自分と同じインターン生の採用は1人でオペレーションを回している状況である。

ブッチという行為の罪深さ

 で、面接ブッチする学生が多すぎる。この記事で言いたいことはこれに尽きる。

 まずブッチの定義は「無断欠席すること」。つまり直前キャンセルはこれに含まれず、僕はそちらは「ドタキャン」と呼んでいる。

 ドタキャンも酷いことではあるけど、ブッチはその100億倍罪深い行いである。

 こちとら先方のためにメッセージをやり取りして、煩瑣な日程調整を行い、ギッチギチに埋まったGoogleカレンダーの隙間を見つけて無理やりハメ込み、上から鬼のように降ってくるタスクの合間に面接をしている。応募してくる学生は、増えない母集団(=応募者)の中で見えた一筋の光。面接評価シートもこさえて、5分前には送ってくれたESを読みながら「この子どんな子かな、どのポジションで活躍してくれるかな」なんてソワソワしながらzoomを開いて待っている。

 そんなこちらの気苦労も知らず、何の躊躇いもなくブッチする輩が多すぎる。

ブッチまでのパターン

 まず、ブッチに至るまでのパターンには2つある。

最初から危ない奴パターン

 面接に至るまでの段階で見抜けるパターン。主に次のような特徴が挙げられる。

  • メッセージのやり取りの段階で、やたら文章量が少ない(「わかりました」の一言など)
  • メッセージで、中学生が友達の親と話す時みたいな敬語使ってくる
  • ESがショボい(文章量が少ない、内容があまりにも浅くトートロジーが多い)

 こういう連中には、「ああこれはダメなパターンだな」と思いつつ、わずかな可能性を信じて面接する。ただ面接に来ないのが大半であり、来ても小学生レベルの思考力しか持たないというのが実情である。

慇懃無礼パターン

 面接に至るまでは非常に好印象だが面接の段階でちゃぶ台返ししてくるパターン。主に次のような特徴が挙げられる。

  • メッセージの段階では丁寧な敬語を使う、レスも早い
  • ESもきちんとしていることが多い

 このパターンを事前に見抜くのは至難の業である。面接前には「すごく誠実で信頼できそうな人だな〜、ワクワク」などと思っていながら、zoom開始後5分経っても音沙汰なし、ということになる。

 中には強者もいる。勤務条件(週○時間以上勤務)が合わないため書類審査の段階でお見送りを打診すると、「いや、どうしても貴社で働きたいので他のバイト辞めてそちらに専念します!だから面接受けさせてください!」と言ってきた。そこまで言うなら、と面接を設定した。当日彼は来なかった。僕はこれを意識高い系ブッチと名付けた。

ブッチ後のパターン

 次に、ブッチ後の学生の対応には2パターンある。とはいえ、ほとんどの場合は①である。

①完全音信不通パターン

 電話をしてもメッセージを送っても一切の応答がないパターン。まあブッチしたという自覚があるならば当たり前か。それでも、学生にとって電話に出ないのはリスクもあるんじゃないかな。こちらの携帯番号は伝えてないので、他の会社や個人からの電話だっていうリスクもあるわけだし。あと、昔はブッチ直後以外に、1日後とかに時間をずらして電話したこともあったんだけど、その時も電源切られてた。この人はいつスマホを使ってるんだろう...?

②うっかり出ちゃったパターン

 これは一回しか経験がない。人事からの電話だとも知らずに、うっかり出ちゃったパターン。もっとも、本人にはブッチの自覚がなく単に忘れていただけとのことで、「あぁ...忘れてました。もう一回求人見て、どうするか連絡します」と気まずそうに言って電話は切れた。まるでこちらが悪いことをしているかのようなバツの悪さを感じた。当然連絡は来なかった。ミズーリ州の大学に留学中のあの女の子、元気にしてるかな。

真人間ならブッチするな

 ブッチする人の精神構造ってどうなってるんだろう。めんどくさくなったとか、やっぱ他の予定が入ったとか、ちょっと体調悪いとか、いろんな事情があるのかもしれない。でも、僕は他人の事情を鑑みずに個人の都合を第一に考えるなんてことはとても出来ない。キャンセルするにしても、絶対に、かつ出来る限り早めに連絡する。例え○俗や出○い系の予約・約束であっても、断るときは絶対に相手にはその旨を伝える。

 こういう人たちは家庭でどんな教育を受けてきたんだろう。または、小学校でどんなことを習ってきたんだろう。もしくは、中学校の部活(集団での協調性を学べると称揚されている)で何を学んだんだろう。

 結局、この記事で言いたいことは、ブッチすることは人倫にもとる行為であり、真人間たりたいのであればブッチするなという、小学校で教わるような月並みof月並みなことです。

 でも、これだけそれを守れない人が多いってことは、守るだけでだいぶアドバンテージになるんじゃないかな。